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高級食材、高級珍味を勝手に決めよう

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もしわたしに「これは実は高級珍味です」って決められる権利があるとしたら、どの食材にしよう?

いまいち美味しいのかどうか良くわからないような食材が、めちゃくちゃ高かったり(わたしの舌が貧乏舌なだけの可能性もあるけど)
ものすごく安いのに、めちゃくちゃ美味しい!これ、こんな安くていいの?
って思うものがたくさんあります。

「こんな美味しいなら、もっと高級でもきっと買う…いや、むしろ高くあってほしい!」
「これ…もっと安くても本当にこんなに美味しい美味しいってもてはやされるのかなぁ…?」

わたしは常に「これがもし○○円じゃなかったら…もし○○円だったら…」とか考えながら、値段にとらわれずに本来の美味しさで判断する修行をしています。
決して世の中の需要と供給のバランスに、わたしの味覚を支配されないぞ!という強い気持ちで。


そういった隠れた美味しい食材を、どこかの王室御用達の五つ星レストランのシェフとかが見つけて
「あれ?…ちょっとこれ…うまっ。やばいな。なんで今まで気づかなかったんだろ。おいー!これ1t、いや3t!仕入れといて〜」
みたいなこと言って、需要と供給のバランスが一気に変わって、価値が高騰したりしないかなって。
新たな高級食材の誕生です。

ちょっとそれ、人生で一回だけでいいからわたしにも決めさせてもらっていい?って話です。

ポテンシャル問題

真っ先に頭に浮かぶのが、タケノコ。

長年わたしの “ポテンシャルあるのに安すぎ問題案件” の筆頭に上がるのがタケノコ。もう20年ぐらい揺らいでません。微動だにしてません。

ああ、
残念なタケノコ。

きみもトリュフや松茸ぐらいに見つけるのが難しかったら、もっともっと丁重に扱われちゃって、わたしなんてきっとアク抜きしながらひれ伏すだろうに。(松茸を調理する際は毎回ひれ伏してる。2.3年に1回ぐらい)

わたしは田舎に住んでるので、近所のおばさまやおじさまから、毎年春にはどうにもこうにも捌ききれない程タダで貰えるわけです。

それはそれは美味しいタケノコ。

ポリポリコリコリ、サクサクシャクシャク。歯応えがとても楽しくて、素晴らしい春の香りのするタケノコ。小さい頃から大好きなタケノコ。

メンマにもなるんだよ?
みんな、めっちゃ好きでしょ?メンマ。
あと、本気出せば水煮にして煮沸消毒したガラス瓶で長期保存もできます。

ちゃんと向き合ってますか?彼の桁外れの実力に。
田舎だからってこんな扱い受けていいんだろうか?
彼にはしっかり高級食材の器があります。

それが、そこらの山で簡単にニョキニョキ生えちゃうばっかりに、「あー、タケノコか〜、うちももういっぱいあるんだよね〜」と、古川さんにも太田さんにも断られ、近所中をたらい回しにされた挙句「齊藤さん好きだもんねー?」と、毎年春になると山のように(当然無料で)我が家に集まってくる。

え?いいの?

いいんですか?逆に?
それ、実質、松茸ですよ?って古川さんに言ってやりたい。本当は。

加工品問題

加工品ならカマボコもね。

おかしいと思ってる。カマボコのうまさってもう異常ですよね?

高いものはもちろんだけど、スーパーで安く売られてる200円とかのやつでも十分にめちゃくちゃ美味しい。
飲み込まずに1日中ずっと口の中に入れておきたいくらい美味しい。

ほんと、どういうこと?
結構な工数かかってるよね?
かまぼこなら、もっともっと高くてもいいんじゃない?

誰かフランスの料理界の偉い人とかが「「あれ?…ちょっと、これ…うまっ!や…
*先ほどの繰り返し

珍味問題

珍味についても。

珍味問題についてはまず、最初にこれを食べた人は正気でしたか?っていう問題Cー2みたいな別の問題もあります。

なんとかかんとかの卵巣とか、猫のフンを一度乾燥させてどうのこうのな珈琲豆とか、本当、どうしたらそんな風にまでして口にしようとしたのか…

でも今回はその問題は置いておくとして、それらは何かしらのひょんなきっかけで、たまたま高級珍味として崇め奉られてるのだとしたら(当然なるべくしてなってたとしたらごめんなさい)
もしかしたら、そこらへんの草むらとかにもいまだかつて試されたことのない珍味が眠っているかもしれない!とか。ね。

ね?考えてしまうよね。

もし、わたしにこいつは珍味だ!って決定できる権利があったら、何を指定しようかな〜?

考えてしまうよね〜

…カメムシとか?

パクチー好きな人がいるなら、似たような香りのする彼らなら、なんかかんか加工すればもしかすると珍味になる可能性もなきにしもあらず…!

高級珍味、めちゃくちゃいますけど。うちのベランダに!
洗濯物に必ずひっついてる。多い時は1日に4.5匹出くわす。

どうかすると謎に部屋の中にいたりもする。
どうして?どこから入ったんあんた。くっさ!
例年なら苦い顔でホウキと塵取りで邪魔者扱いですが、今日からはもう違います。

しかも我が家は東海地方なので、レアなグリーンカメムシ。
(東京や大阪は茶色なんでしょ?)
グリーンはさらに高値です。当然。
美味しそうだから。体に良さそうだし。きっと茶色の3倍の単価。

そんな幻のグリーンカメムシ様。
暖房付けて窓開け放しておけばホイホイやってくるぅ!高級珍味!
ヒャッホウ!いらっしゃいませー!

ちなみに前述したタケノコなどもしかりだけど、その「これは珍味だ!」と決定する権利を行使すると、それは有無を言わさず世間も認める高級食材になるので、瞬く間に高値で取引されるようになり、わたし自身もそれ以降はもう気軽に食べられなくなります。

だから、慎重に考えなければいけない。

でも、そんな私利私欲のための話ではなくて、これはわたしの見つけ出した、その埋もれた食材の名誉のための話で、ひいてはわたしの名誉のためなのです。

わたしなんぞが元々そんな気軽に食べられる物じゃなかったわけで、もっと世の中に出て行かなきゃならない逸材なんだから。むしろ今までこんなわたしの身近にいてくれて、感謝しなくてはならないわけ。

価値が低く見積もられすぎていたのだから当然なんです。本来いるべき高みにおわすのが至極真っ当なんです。

グッバイ、タケノコ…BBF、タケノコ。ずっとずっと応援してる。幸せになってね。

またいつかタケノコを食べられるように一生懸命働くんだ、わたし。

画像1


何言ってんの?こいつ。と思われたそこのあなた。


正解です。

あー。お腹すいた。



あと、暇な時に考えることといえば他にも「食わず嫌い決定戦」にゲストで出演するとしたら、何を正解にして、フェイクの好きな料理は何にする?っていうパターンもあるんですが…

あ、
もういいですか?

そっか…残念。
ではそれはまた今度。


では、また〜

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こんにちは。管理人の斉藤ナミ(パン子)です。エッセイを書いています。

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前田デザイン室『鬼フィードバック』note 1.2執筆

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